スパロボOGってどうなのよ(続き)

「ということで前回の続きな訳だが、まず現状を把握することにする。『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION』というのは2002年にGBAで発売された『スーパーロボット大戦』に登場する、パンプレストが創造したオリジナルキャラのみで構成されるスパロボのことである」
「それ以前にも似たような事はありましたよね」
「うむ。1996年に発売された『魔装機神』というのがオリジナルオンリーで以前にやったことがある。さらに1994年の『EX』では版権作品よりオリジナルをフューチャーした作品もある」
「前例はある訳ですね」
「すでにスパロボにオリジナルキャラは無くてはならない要素だったから、OGが発売する前から土台はあったわけだ。発表された時はそれなりに注目は集めていたと思うし」
「それで結果的にOG発売はどうのような結果になったのでしょう」
「まず売り上げは約20万本。ゲーム内容に関しては自分がファンである贔屓目を差し引いても十二分に良く出来たものだったし、一般的にも高い評価を得た」
「ゲームとしては売り上げ的にも内容的にも成功したのですね」
「これでバンプレは“OGはいける”って思ったんだろう。2005年に続編であるOG2と、さらにOVAも発売された。『OG1』の時点でもう続編は熱望されていたので、発表当時はかなり盛り上がっていたと記憶している。まぁファン限定だけども」
「それでOG2の結果はどうなったのでしょう」
「前作と同じ約20万本。前作と同じくらいなんだけど、これは続編であること、ゲーム業界全体としてシリーズ物の売り上げが低下していることを考えると、大健闘といってもいい。ゲーム内容に関しては、これは前作を上回る高評価だった。自分もそう思うし個人的な意見を言わせて貰うと傑作といっても過言ではなかったよ」
「OVAはどうだったのでしょう」
「内容に関しては正直今ひとつだったけど、売り上げに感じてはOVAランキングで1位になるくらい好調だった」
「商業的には成功だったと」
「あともうひとつ。ホビー関係に詳しい人間なら分かると思うが、最近プラキットや完成塗装済みPVCフィギュア、トレーディングフィギュア等でOGの関連商品が立て続けに発売され、軒並み売り上げ好調となっている。まぁ大手メーカーが発売しているという訳でもないのでそれほど出回ってはいないんだけど、関連商品の数は人気のバロメーターだから、単純に商品が世に出る度に人気が上がっていると見ていい」
「こうして見ると実に順風満帆という気がしますね」
「そうした上での据え置き機発売とテレビアニメ化決定だから、正にブレイクの階段を一歩づつ上っているようなもんな訳だ」
「OGはブレイクするのでしょうか」
「どっこからどこまでがブレイクっていうのかよく分かんないんだけどさ。とりあえずOGsが売れてアニメがヒットすればブレイクしたことになるんじゃないの」
「では、どのくらい売れるのでしょうか」
「個人的予想では最低で30万本はいくと思う。比較対象データを上げると去年発売された据え置きスパロボの『α3』が60万本だった。あとファミ通の期待の新作は現在10位前後。9月発売だと過程して詰めていってもベスト5位に入れるかどうか微妙って感じ」
「半分じゃないですか・・・・・・OGsは製作だっていつもと同じくらいの手間をかけているでしょうし、これ大丈夫なんですか」
「やっぱ“商品を売る”という事に関して最も重要なのは知名度と一般層へのアピールだから、版権スパロボと比べるとどうしたって知名度は劣る。スパロボ知らない人にオリジナルキャラが云々と言ったところで、ハァ?って感じだろうし」
スパロボ知らない人でもガンダムは知ってますからねえ」
「まぁ、30万というのはあくま最低ラインてことで。『OG2』って約20万本売れたんだけど、コレって外伝の続編という、かなり限定された状態で20万も売ったわけだ。そうすると最低でもOGファンは全国に20万人は居るということになる。しかもハードはGBAというのがポイントで、GBAっていうのはメインの年齢層がPS2とは微妙に違う。GBAは10代でPS2は20代だから、GBAは持ってないけどOGは気になるという潜在的なOGファンというのはけっこういると思う、それでなくとも『スーパーロボット大戦』というのは据え置きで出るたびに50万本売ってるシリーズな訳だから据え置きスパロボってだけで買う人間も当然いる」
「版権に関係なくシリーズファンなら買う人もいるでしょうね」
「これらを踏まえてOGsを買いそうな人間は、

1・OGファン
2・スパロボなら何でもいいファン
3・OGはやったことないけど気にはなるスパロボファン
4・文句言ってながら結局買うアンチ層

という感じになる。これらで30万〜35万はいけると思う」
「これでも『α3』の半分ちょっとなんですねえ」
「今でも30万本て言ったら大ヒットなんだけどな。そしてこれ以上売るとなると未知数の層である、“スパロボをやったことのない層”が買うことになるんだけど」
「ただでさえ外伝なのに、シリーズ未プレイの人が食いつくものですかね」
「この辺は実に未知な部分なんだけど、スパロボって一見さんお断り的な雰囲気があるんだよね。αシリーズは続き物だし、GBA作品や『MX』ような単発モノだとしてもある程度お約束として“出来上がってる”感があるので未プレイの人は入りづらい部分がある。販売本数が50万本はいっても100万本はいかないのはそういう所に理由があると思うし」
「まぁ、コンスタントに出るシリーズ物ならどの作品にも当てはまることですけどね」
「でも去年でαシリーズは完結して、今年で無印であるOGsが出るというのは良いタイミングなのではないかと思ったりする。例えばホビーファンなら、最近プラモやフィギュアがやたらに出てる作品ということで興味が出るかもしれないし、アニメファンなら秋から始まるアニメの原作ゲームっていうことで興味が出るかもしれない。そういった層をうまいこと取り込めれば40万はいけるのではないかと思ったりなんかしたりしちゃったりしてホントに」
「なんで最後が広川太一郎なのかはよく分かりませんが、まぁそういったこともあるかも知れませんね」
「現段階で言えることはOGsは間違いなく面白くなるということ。もともと評価の高い作品がスパロボの現状最高のフォーマットで移植されるわけだから、これが面白くなくなるハズがない。変なシステムを入れられて悪改されたりとか、ゲームバランスを弄られて悪くなったりとか、よっぽどのことがない限りは内容に関して発売前から保障できる。シリーズ物ではあるけど続き物じゃない完全に“まっさら”なゲームとしてスパロボ未体験の人に入りやすいし。そう考えると、αシリーズ終了でいったんリセットがかかったので、新規ファン開拓という、構想があってOGの据え置き化を決めたのではないかと」
「シリーズ物というのはマンネリになりがちですから、今回のは一種の起爆剤とも考えられますかね」
「OGって実に今が旬だと思うのだよ。新しいロボット物のコンテンツとして各方面から注目されている。ファンとしてはそれこそ10年以上にも渡って成長を見届けてきた訳で、その結果が結実するかどうか大事な時期なのだよ。なのでそれを“興味ない”とか“版権が出なくなるからウザい”とか、そんな風に片付けるのはどうかと思う。ま、とりあえずアンチには文句言うなら結果を見てからにしてくれとしか言えんわな」
「どういう結果になるんでしょうねえ」
「ゲームの方はいいところまで行くとは思うけどアニメはどうかなぁ。これも製作スタッフ頑張ってくれとしか言えん。いいもの作って欲しいし当たって欲しいよ」
「どんなことでも盛り上がった方が良いに越したことはないです。あと、そろそろいい加減長すぎるので締めて下さい」
「売れればさぁ、ホビー関連も沢山出るんだよねえ。個人的にはアニメ化っつーことで本家バンダイに動いて欲しいんだよなぁ。HG準拠のコレクションサイズとかMG準拠のハイスペックモデルとか、コトブキヤが被らない感じで上手いことやって欲しいんだけど。アクションフィギュアでもいいし、電ホビのって受注販売だから高価いんだよねえ。やはりここは大量生産で安く販売できる会社にやって欲しい。あとは超合金で完全合体変形SRXとか。昔は夢物語だったけど、もしブレイクしたら十二分に有り得る話になるんだよ。うおースゲー欲しい!」
「・・・・・・・あなた、長々と語っておいて実は本音はそれだけなんじゃ・・・・・・」