MG VガンダムVer.Ka レビュー


リガ・ミリティアザンスカール帝国に対抗するシンボルとして“ガンダム”という記号と“勝利”という名を与えられたマルチプル・モビルスーツ
F91TVシリーズが大人の事情でポシャり、新たな体制で製作された本シリーズは、SDガンダム世代の小学生に受け容れやすくするため「13歳の少年が合体変形するガンダムに乗って戦う」という設定でスタートしたのですが、内容はご存知の通り、大人の男が居ないので女子供老人が戦争せざるを得ない状況を描き、ギロチンで首は飛ぶわ、味方のお姉様は次々と死んでいくわ、ウッソ少年憧れのカテジナさんはヤンギレするわ、ウッソ少年の母親の首は飛ぶわで、まぁーシビアなお話でした。
まぁ、自分の年代的には直撃世代なので、凄い好きだけどね! 当時発売された1/100キットは手垢が付くくらい遊び倒したしなぁ。なぜかポリキャップの色が黄色だったけど。
この作品で本格的にガノタに目覚め、ガンダム関連書籍やガンプラを買い漁るようになり、その流れで同年発売された『第3次スーパーロボット大戦』を買ってしまったので、その後の自分の方向性を決めた作品といっても過言じゃぁないです。
ヴィクトリーの立体物は、複雑な合体変形機構と、歴代主役ガンダム最小である15.2mという全長がネックなのか、立体化される機会が少なく、デザイナーであるカトキ氏のブランドであるGFFですら商品化されてない非業のガンダムであり、MGでも以前から発売は希望さていたものの、前述のサイズの制約から長いこと棚上げになっていたのですが、昨今の技術の向上でようやく完全再現できる目処が立ったと。
↓以下、画像とコメント。








Vガンダムの中枢であるコア・ファイター。小サイズながらギミック満載。
放送当時は、ガンダムの頭部バルカンがそのまま使用可能というあたりに「なんで合理的なデザインなんだ」とやけに関心した記憶が。







▼ヘキサ頭部と2機付属。量産型であるVガンダムの特性を再現したGJな仕様といえます。パイロットフィギュアもウッソ、マーベットさんと個体差あり。
でもなんでライディングギアがクリア製なんだろ・・・・・「グレーか白のお好みに塗って下さい」って事なんだろうか・・・







▼トップ・リム(通称ハンガー)とコア・ファイターが合体したトップ・ファイター。劇中序盤ではこの形態で戦う事が多かった。
空力とかそういうのをぜんぜん考慮してなさそうな形状だけど、ミノフスキー・フライトによって飛行するのであんまり関係ない。







▼腕部がそのまま使えるので、ビームライフルはそのまま使用可能な上にビームサーベル、ビームシールドまで使っていた。「別にVガンに合体しなくてもいんじゃね?」とか言ってはいけない







▼ボトム・リム(通称ブーツ)とコア・ファイターが合体したボトム・ファイター。加速性、航続距離なんかが高い。
トップ・ファイターほど汎用性がないのであんまり使われなかったが、ボトムアタックで脚を放ったウッソに、マーベットさんかオリファーが自分の機体の脚をやるというシーンがあった気がする。それを観た当時の自分は「なんて合理的なデザインなんだ」と関(以下略)







▼コア・ファイターが2機付属するんで、旧キットではできなかった2機並べることが可能。
なんで上向きなのかというと、水平にするとボトムの脚が垂れ下がるんです。







▼ハンガー、ブーツの収納状態。第1話で合体しようとしたパーツをクロノクルに破壊されて「脚がぶっ壊された!?」と思いきや、もう一機射出されて「いっぱいあんの!?」と2度驚いたというという、他にも囮にするわ敵にぶつけるわで「合体パーツが消耗品」の設定がなかなか衝撃的だったもんです。







▼トップ・ファイター変形途中。小さいヒンジで機首がパタパタと折り畳まる複雑怪奇なギミックになってます。







▼Vガンダム正面。カトキメカなので、素立ちで飾る場合はしっかりカトキ立ちさせましょう。







▼背面。







▼バストアップ。VガンはF91よりもさらにフォルムが丸い、未来カーのようなデザインなので、その辺の流線曲面の再現も立体化のハードルを押し上げる要因だったようですが、頭部のC面が無い丸っこい形状は見事に再現されています。
V字アンテナはプラ製と軟質素材の選択式。飾って置く分にはブラでいいけど、頭部が出たり引っ込んだりするので、いじって遊ぶ分には軟質の方が無難。







▼劇中よく見られた、コクピット展開状態も再現可能。放送当時は「このコア・ファイターの機首ってどういう構造してんだ?」と不思議でしょうがなかったですが、実際に手にとってようやく構造がわかったよ。







▼Vガンダムヘキサ。通信機能を強化した指揮官タイプ。だったのが正式量産化に伴いこちらの頭部が採用され、後半でシュラク隊のお姉様たちが搭乗。V字アンテナタイプはマーベット機のみがシンボル的な意味合いで残された。
肩のダクトは、カトキ氏が版権イラストで描いてたデザイナーズカラーの白と、設定準拠の青と選択可能。どうせならEDでの水色の足の甲パーツも欲しかったなぁ。








▼付属する武装ビームライフルのみ。劇中での武器もこれしか使ってないんだけど、他にガトリングガンとか、脚部に付けるミサイルとかはVダッシュに付属するんだろうか・・・。、
ポージングに関してですが、合体のため腰がまったく可動せず。まぁこれはしょうがないんだけど、股関節の脚部取り付けが、HGでボールジョイント可動によく使われてる、あの玉ポリキャップ。そのため股関節周りの可動範囲はかなり狭いです。
別にそんな派手な見栄きりポーズをするわけでもないけど、あの脚の取り付け方法は何とかして欲しかったぞ・・・






ビームライフルは合わせ目がまったく出ない構造で、設定通りに分解してビームピストルに。








ビームサーベルも設定通り、腕のハッチが開いて柄を収納可能。







▼ビームファンも付属。旧キットにも付属したけど、これは今見てもどう使うのかよく分からない。ビームハリセンにしか見えないよ。







▼劇中ではかなり多彩な使われた方をしたビームシールド。PET樹脂製で薄くて丈夫。さらにビームっぽい模様がプリントされてます。







▼展開状態。旧キットではここまで曲がらなくて、ヒジを付き出すようなポーズしかできなかったけど、MGでは腕の前面に持っていく事が可能。
この赤いパーツが差し替え無しで各形態ごとにあっちこっちポジションが変わる腕部の構造がかなり見所です。






▼ボトムアタック! 
ウッソ考案の、ブーツを質量弾として敵にブチ当てる必殺技。このあとトップ・ファイターになっても攻撃力自体はさほど下がらない事からシュラク隊のお姉様たちも真似しだして戦法として成立。合体パーツが消耗品であるVガンならではの荒技。







▼確か一回だけこんな形態になった事もあった。







HGUC νガンダムとサイズ比較。全長22.0mのニューと15.2mのヴィクトリーは1/144と1/100でほぼ同じ大きさ。






ここまで複雑な合体変形を見事再現し、なおかつプロポーションがまったく崩れてないというあたりは「技術の進歩ってスゲー」と素直に思います。さらに色分けは完璧。もともと線の少ないデザインなので、スミ入れも楽だし。
んが、可動に関しては、パーツの取りつけがほとんどフック式(プラの弾力でパチってはめるヤツ)なので、脆くてガタ付きます。まー、この辺は自分で瞬着つけて調整できるんでいいんですがー、
股関節の玉ポリ可動に関しては、まったく保持力が無く、ボトムファイター時では水平にすると垂れ下がり、ものすごいすぐ取れ撮影中に何度も脚が落下。その上可動範囲も狭いという、なんでこんなの使ったんだってくらい股関節が動きません。これはかなり頂けない。Vダッシュでは改善して欲しいんだけどなぁ。どうなるのかなぁ。
まぁ、この辺は合体変形完全再現をクリアしている時点で許せる範囲なんですがね。しかしそう考えると、ギミック、プロポーション、可動、プレイバリューの全部が破綻なく成立していたMGフォースインパルスガンダムってどんだけ神ががっていたんだろ・・・・とも思えるんですが。
今後はそのうちVダッシュいづれはV2も来るんでしょうが、個人的にはガンイージガンブラスターが欲しいなぁと。構造自体はシンプルなので2500円くらいの複数買い上等な値段で出してくれればオデロ用、トマーシュ用に2個買いしますよ。


MG 1/100 LM312V04 Vガンダム Ver.Ka (限定クリアパーツ付き) (機動戦士Vガンダム)

MG 1/100 LM312V04 Vガンダム Ver.Ka (限定クリアパーツ付き) (機動戦士Vガンダム)