MG ガンダム・バルバトス レビュー
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』主人公機。
300年前に起こった<厄祭戦>で、人類を殺戮する無人機動兵器・モビルアーマーに対抗すべく開発された72機あるガンダム・フレームのうちにひとつ。民間軍事企業CGS社長・マルバが火星の砂漠に埋まっていたのを発見。エイハブ・リアクターが稼働状態であった事から電力供給源として地下に秘蔵されていた。
ポスト・ディザスター(P.D.)323年。クーデリア暗殺を目論むギャラルホルン火星支部の襲撃を受け、オルガの判断で対抗戦力として用いられる。空だったコクピットブロックにはモビルワーカーのコクピットと阿頼耶識システムをそのまま移植する事で起動に成功。ギャルホルンを撃退して以降は、CGSを掌握した鉄華団の所有機体として運用される。起動時は両肩の装甲が欠損、左腕も異なる装甲になっており、鹵獲したグレイズのパーツなどで応急処置をしていたが、テイワズの工房でオーバーホールされた際に、全ての外装を厄祭戦時のデータから複製されものと交換、厄祭戦の姿を取り戻している。以降も状況に応じて様々な装甲や装備を取り付けられ、鉄華団の主力として最後まで戦い続ける事となる。
ガンダム・フレームの特徴である2基のエイハブ・リアクターの並列稼働により現行機を凌駕する高出力を誇るが、ギャラルホルンを相手に渡り合えた要因としては、阿頼耶識システムと、その施術を3度受け成功している専任パイロットの三日月・オーガスの肉体と精神力による所が大きい。
バルバトスの基本形態である第4形態は第10話のラストで登場。11~13話のブルワーズ戦、17話のコロニー周辺でのキマリスとの戦闘。18話で第5形態に換装されるので登場話数は6話ほど、戦闘回数は3回。火星のイメージが強いですが、宇宙空間でしか戦ってなかったりします。
それにしても、オルフェンズもう4年半も前ですよ、なんか2年くらい前のイメージなんですけど、今年でもう5年目とか・・・はぁ~
以下レビュー。スミ入れ、パーティングライン処理、マーキング貼り、一部塗装、ツヤ消しトップコート仕上げ。
画像はブラウザでサイズ調整されるので、PCでフルサイズにする場合は左クリックして下さい。
PD世界において<ガンダム>とは、フレームの種類。中身がガンダムフレームならどんな外見してようがガンダム。もっともかけ離れた外見してるグシオンにも、最低限ツインアイと頭部アンテナは付いてるけど。
▼劇中バルバトス、グシオン、キマリスは何度も外装が変化しフレーム状態が描写されているので、作品を象徴するアイコン要素が非常に強いフレームだと言えます。MGでは1/100より高密度で、フレーム状態でもキットとして成立するほど見どころが多いです。
▼正面。
腹部が異様に細い、肩が逆三角形ではなく「なで肩」など、ヒーローメカの定番要素を排したシルエット。
▼背面。バックパックのサブアーム展開ギミックは差し替え無し。このスペースにシリンダーが収納できるのが凄い。
さらに武器のマウントダボ穴に取り付けるのではなく、スライドして取り付ける方式。文章では説明できないので、組んで確かめて下さい。
▼バストアップ。
名称モチーフが悪魔だけあって、歴代主役ガンダムの中でも清潔感などとは無縁。悪相になればなるほどカッコイイ。
▼メイン武器・メイス。バルバトスと同じ場所で発掘されたので、厄祭戦からの武器だと思われる。
鈍器による殴り合いがメインという、本作の戦闘シーンを象徴する武器。
▼PD世界のMSは、ナノラミネートアーマーはビームが効かず、炸薬式の弾丸は効果が薄い。メインフレームは超硬いし、動力源のエイハブリアクターは爆発しない。なので最も効果的な攻撃が、質量による打撃。どんなに硬かろうが重力の法則には逆らえないので、力任せにブッ叩けば歪むし砕ける、中のパイロットは潰れる。
▼ただの鈍器ではなく、先端に射出機構、後部にスラスターを備え投擲も可能な、多機能鈍器。
手首がほぼ90度曲がるので、こういう長物を持つポーズが非常に決まります。
▼今やバルバトスといえばメイスですが、放送当時、1/100第4形態とハイレゾリューションモデルには付属せず。これは主役メカの武器が鈍器という事にバンダイ側が懐疑的であったため。第1話観てすぐ考えを改めたそう。
▼300m滑腔砲。下部に60mmマシンガンを備える。
CGSの設備でMS用の飛び道具として取り繕ったもので第2形態から使用。命中させて相手の態勢を崩し、そこを殴るのが宇宙空間での基本戦術。
▼砲身の折り畳みギミックは、1/100でも差し替え無しだったけど、MGではさらに凝ったものになっています。
▼砲身の折り畳みもサブアーム展開も差し替え無しで可能。必殺武器のような大がかりなギミックなのに、劇中ではジャブくらいの扱いなのが面白い。
▼太刀。テイワズ製のヤクザソード。
▼ブルワーズの襲撃にクタン3型で急行した際には、柄が無い状態で使用。
HG第4形態に付属していたのもこれ。
▼これで叩いてもメイスほど打撃力は無いので、装甲の隙間を突いてパイロットを直接殺りにいく使い方をしていた。三日月は使いづらかったようでメイスを失った時のサブウェポン的な扱いだったが、本来の使い方がなされるのはグレイズ・アインとの戦いでとなる。
▼フル装備。
▼メイスの刃部分は分解して手持ちが可能。取説にも載ってない、あくまでオマケ要素です。
鉄華団で誰も気づいてなかったとか、厄祭戦ではこういう使い方してたとか考えると面白いけど。
▼1/100と比較。当時としてもフレーム内蔵の準MGといっていい出来でした。
武装は、滑腔砲の大型化とメイスの尖ったアレンジが顕著ですな。
▼ブンドドしてみる。1/100キットに関しては、グレイズは今の目で見てもまったく遜色なし。グリムゲルデも完璧。
他のガンダムフレームは、さすがにMGを見た後では同クオリティのものが欲しくなりますけど。
1/100のパーツで他の形態にする場合、そのまま取り付けできないので加工が必要となります。
▼トップ画像のエフェクトパーツは、バンダイスピリッツのオーラエフェクト(ブルー)を切り取り、クリアイエローを吹いてグリーンに塗装。両面テープで付けてみました。
▼
1/100が既にフレーム構造で、MGになったらどうするんだろうと放送当時から思っていましたが、劇中イメージを盛り込みつつ、過不足のないアレンジを加え、密度を足すという、ド正攻法でした。それが全てにおいてクオリティが高い。いやほんと書くことないくらい文句の付けようがないです。
欠点があるとすると、設定通りのシリンダーギミックを仕込んだから、肩回りの可動範囲が上方向に向けられないくらいですかね。これは後発のガンダムフレームで改良パーツ付けるなりしてアップデートできる部分かと思います。
とにかく、フレームの時点で満足度が感じられるキットです。超絶出来の良い素体ができたので、これを使った機体のクオリティは保証済みのようなもので期待しかないです。とりあえず並べられるグシオンリベイクが欲しい。
あとはバルバトス1~6形態オプションセット。オプションセットはHGでも発売されたけど、緑色のグレイズの肩。欠けたV字アンテナなど、劇中の全ての状態を再現できるやつ欲しいです。