7月27日

機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN 感想
観ました。以下感想


まず学生時代の話が大幅に再構成。アセムとゼハートの出会いのシーンから大幅に変更され、ロマリーはフリットと親交のある軍人の娘でアセムとは幼馴染に設定変更。3人の関係性が大量の追加シーンで肉付けされて、とにかくTV版では瞬間移動したり、何を考えているのかよく解らなかったロマリーをヒロインに見せるための描写が徹底してる感じ。水着シーンもあるよ。メカ的にはアセムが初めてAGE-1に乗った時はフリットから事前に存在は知らされていたという風に変更。卒業式の戦闘でAGE-1はソーディアになっており、ゼダスRとの戦闘シーンも完全新規になっていたり。この学生時代だけで45分くらい。
セムが軍に入ってからの構成はTV版とだいたい同じ。アセムとロマリーのセリフが若干変更されてるくらいで追加シーンも少なめ。アリッサの出番が増えたりしてません。初戦でゼハートに負けたり、ロマリーの思わせ振りな言動にアセムがフラストレーション溜まりまくっていくあたりで前半終了。

後半は、いきなりアセム編最終決戦からスタート。デシルとフリットの戦いとかグルーデックさんとかミューセルとか全部カットし結構いろいろすっ飛ばしてるから、アセムの鬱屈から成長して急に物分り良くなるのがけっこう唐突。まぁTV版でもウルフさんに認められてあっさり立ち直ってたからあんまり変わらないけど。最終決戦の内容もだいたい同じ追加部分はほとんど無し。アセム編最終回のフリット連邦軍告発部分もカット。アセム編メインなのにアセムとロマリーがくっつくシーンも無しとは、さすがにアセムとロマリーがあれで結婚できたのに納得のいく再構成すると膨大に時間かかるから端折った方が早いという事かしら。

ここから視点がゼハートに切り替わり25年経過。キオ編はモノローグでカットして、いきなりルナベース攻略戦からスタート。内容は実質的にゼハート退場の48話の再構成。TV版ではイゼルカント様の選民思想にチョロく啓発されてしまったように見えたゼハートを、イゼ様がイカレていると理解しながら非情になりきれず全部背負い込んでデシル、ダズ、ドールら犠牲になった人間達の幻影に責め苛なまれながら追い詰められて破滅していくさまを大幅に肉付け。フラムのヒロイン力も大幅アップで可愛く描かれておりキスシーンもあるよ。
TV版では一瞬で終わったダークハウンドvsレギルスの最後の対決を大幅追加。お互いボロボロになりながら戦い、最後にダークハウンドがレギルスをパンチするシーンに、学生時代のアセムがゼハートをぶん殴る姿がインサートされるという熱い演出もあり。勝敗が決して二人がお互いの身の上を語り合う部分では序盤の学生時代の大幅追加が活きており、止まれなくなった友人を止めてやる友情話として観てて入り込める。最後はゼハート死亡部分でエンディング。その後の話はカット。エンドクレジットでもゼハートが一番上。ラストは地球でアセムが立てたと思われる墓にゼハートとフラムの名前が刻まれているカットで終了。



フリットとキオは登場するけど完全に脇役で復讐だ不殺だのといった話は一切なし。TV版とは違うスタッフで内容を別物にしたというより、必要な部分のみを抽出して納得のいくように肉付けしたという感じ。TV版のあの内容から「ゼハートの悲劇的な末路」という部分のみを重点的に絞ったあたり構成として上手いと思うし、全体的に十分観れる内容になっています。
発売と同時でレンタルもされてるんで、まだAGEに思うところあって、これからもガノタとして向き合って語りたいと思うのであれば観ておくべきかと。TV版の最終回を観たままの状態でずっといるよりはぜんぜん前向きだと思います。