『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 感想


観てきました。これから観ようと思っている人は、なるべくネット等の感想は見ないで赴いた方が良いかと思われます。


以下、ネタバレ感想。



そして、14年の月日が流れた




のっけから壮大な状況変化に思考が止まる。こりゃ公開前の事前情報が一切ないはずだよ!
何も判らない状況から、リツコさんはベリーショートになってるし、シゲルは顎鬚生やしてるし、おなじみのメンバーがみんな老けており、新キャラも沢山いる。どうやら破のラストからシンジ以外の時間が飛んでいる。アスカとマリ、エヴァ搭乗者は歳を取っていない。あれから何年経ってるんだ何が起こったんだという、状況に頭はフル回転して理解に務ようとする、この感覚は事前に14年後というネタバレを踏んでいると絶対味わえないサプライズなので、こりゃ早目に観にいって正解でした。
そしてアラフォーミサトさん艦長の機動戦艦・ヴンダー発進。冒頭の宇宙戦といい、もう完全にスパロボ仕様じゃないですかー! 
まぁ、この辺の冒頭30〜40分くらいがこの映画最大の盛り上がりのピークなんだけどね!
以後、めまぐるしい状況変化にまるで付いていけないシンジがひたすら翻弄されて、人が誰もいないネルフ本部でカヲル君とBLしてるのが戦闘シーンもなく後半まで続く。そして自分も意思もなく言われるままエヴァ13号機に乗って、それを止めようとするアスカと戦って槍抜いてフォースインパクトが起ころうとするがカヲル君が身を犠牲にして防がれる。観ている側としては「なぜそうなるのか」という意味が分からないのでボケーっと観ているしかない。旧劇場版のラストみたいなもんです。最後はカヲル君失って抜け殻になったシンジをアスカが蹴飛ばして連れ帰り、なんか心変わりしたらしい綾波ダミー9号も付いていって完。
察しが悪くて、責任転嫁して、自分の意思もなく言いなりで、周りの静止も聞かず、アスカの言うところの「ガキ」だったシンジよ・・・破でのシンジさんはどこ行ったんや。破での、ベースとなる話は旧作と同じながら、ベクトルが前向きで盛り上がる。というのが今回はないです。4部作の3作目、起承転結の転、と考えればまぁこういった主人公がヘタレるという展開でもいいと思えるけど、単品の作品と考えると、「これがエヴァだ」と言われれば、まったくその通りなんだけど。
あと、時間が飛んで設定が一変してるのに、それに対する説明がほとんど無い。ミサトとアスカの心情も描かれない。シンジに対する仕打ちはいろいろあっての事なんだろうが、それが解るのは次回までおあずけ、というのは辛い。ていうかアスカが何で復活したのかも描かれてないしなぁ、この辺の説明は本編よか、書籍とか別の媒体でされそうだなぁ。
でもこれも製作側の計算の内、 旧作でも19話が盛り上がりの頂点で、それ以降の急降下を再現したって事のようにも思える。完結篇では立ち直ったシンジがシンジさんになって復活した初号機に乗りヴンダーと合体したヴンダーエヴァンゲリオンになって補完計画を阻止するような盛り上がりになるのか。はたまた旧劇場版と同じような事して、やっぱりエヴァエヴァなのか。まぁ興行成績が■2日で凄まじい数字を叩き出してる時点で、もはや「良いか、悪いか」ではなく「見たか、見てないか」というレベルになっているので、内容どうこうよりも結末がどうなるか見届けるのみですけどね。
あとホビー的には、エヴァが全機一新されてるので、ネタバレ解除されたら改2号機、8号機、9号機、13号機がロボ魂やリボルテックで一斉に発表されそう。