R3 ウォーカーギャリア レビュー


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1作品中に主人公メカが交代するという、ロボットアニメでは定番ネタの草分け的存在(メカンダーロボは置いといて) とはいえ、この案も商品展開が苦戦を強いられてのテコ入れだったらしい。それが「パターン破り」のザブングルの土壌に合っての採用だったのだから、ギャリア誕生はまさに奇跡といえるかもしれませぬ。
んで発売までに紆余曲折あったR3ギャリアですが、もともとリアルロボットをMGクオリティでキット化する『リアルロボットレボリューション』第1弾のレイズナー発表時は、自分としても「ついにバンダイがやった」という感じで狂喜したんですが、いざ発売してみると出来が微妙。第2弾のエルガイムMk-IIは出来は良かったけど、売れ行き的にはいまひとつだったらしい。誰もが待ち望んだ鉄板企画と思われたR3はけっきょくのところ「ガンダム以外は売れない」という分かりきった事実だけが露呈してしまったのです。自分はバンダイはそのくらい承知でやってるものと思ってたけど、やっぱガンプラと開発費が同等にかかるのにガンプラほど売れないものを出すほど酔狂ではなかったという事で、バンダイのテンションは急激に低下。2006年春のホビーショーでも試作展示されていた第3弾予定のギャリアはバンダイホビー部の担当者は「このまま出しても売れない」と判断、そこで月刊モデルグラフィックス誌上でR3発表時からギャリア発売を勝手に応援していたあさのまさひこ氏にトータルコーディネイトというかスーパーバイザーとうかプロデュースを依頼。以降はモデグラ誌上やネット上で掲示板を開設しユーザーからの意見を受けつつ何とか盛り上がりを図り、去年秋のホビーショーでようやく発売決定。というのが今までの流れだったと思います。
ということでこのギャリアにはあさの氏の徹底したこだわりが炸裂。今月のモデグラの対談記事に詳細が書いてますけど、バンダイホビー事業部としても社外からスタッフを招集して開発過程を見せていくというのはMGの初期以来だし、あさの氏がバンダイと意見交換し、時にはバンダイ体質を直球批判しながら製作された非常に熱いキットになっています。外見はシンプルだけど、中身は最新のバンダイテクノロジーで見所満載。プロポーションも可動も完璧。外側のパーツは全てアンダーゲートだし、各部にうるさくならない程度にリベットモールド、梨地表現、スベリ止めなど、全てのラインに意味が持たせてあるディテール表現が見事。文句の付け所のない究極のウォーカーギャリアと言っても差し支えないかと。


定番、ザブングル走り


ギャリィホバー、ギャリィウィルの合体は完全再現。構造はシンプルだけど形状を整えるために細かい調整がされてます。


発売されるまでシークレットだった同スケールのレッグタイプ。ガチコじゃないよ。ビリンとマリアのフィギュアも付属。


自分はしょうじき、あさの氏って何年か前にGジェネガンダムセンチネルが登場して、バンダイがセンチネル商品を連発させ小ブームが起こった時に、リアル世代じゃない人間に向けて「当時の状況を知らない奴らに何が分かる」的な斜に構えた文章書いてたからあんまり好きじゃなかったんですけど、今回で印象が改まりました。まぁ、このギャリアに対してもスパロボ世代の若造どもに何が分かる」みたいな事書いてるけど(笑)
自分はリアル世代ではないので、25年前の1/100キット発売中止騒動は知識の上でしか知らないので何とも言えませんけど、このキットが相当意義深いキットであることは分かります。そして今後のR3に関しては、アレ欲しいコレ欲しいと思った所でまず出ないと思った方がいいです。ぶっちゃけコレが売れないとサブングルもバイファムエルガイムMk-Iもドラグナーも出ません。バンダイのやり方にケチつける前にユーザーは行動をもって示さないといけないし、それだけの事をするだけの価値のあるキットかと思います。