4月2日


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 最終回
最後の戦い。ユージンとダンテは下がらせ、三日月と昭弘の二人で迎え撃つ。大暴れしてギャラルホンの戦意を削ぐが、そこにまたもやダインスレイブ一斉発射、どんなに頑張ってもこれ撃たれたら一発で終わるんだよな・・・。しかしそれでもなお動くバルバトスとグシオン。そこにトドメを刺しにきたイオクのアホが自分の名前を名乗った事で昭弘に最期の火をつけ、ニッパーに挟まれイオク圧死。ここの所、反省して改心したような描写だったが、それくらいで今までやって来た事がチャラになるわけねーだろ! ざまぁ見ろ! 敵の死にここまでスカッとした事も未だかつてない。最後の最後でラフタの仇を討ち、満足しつつ昭弘散る。
三日月も最後の抵抗を続けるが、操縦したまま意識を失い力尽きる。それをジュリエッタが討ち取った形となり、戦闘の幕は下りる。決してジュリエッタが実力で負かしたわけではない、それだけが救い。
数年後、ギャラルホルンはセンブンスターズ体制が維持できなくなり、ラスタルが代表になって組織改革。火星も独立成功しクーデリアが代表になり、ヒューマンデブリ禁止条約など世界は変わった。マクギリスの理想が他の人間によって実現する形となり、けっきょくラスタルは堅実かつ清濁併呑の優秀な人物で、真田幸村における徳川家康新選組における西郷隆盛のようなキャラ。鉄華団の生き残った人間に追及はせず、温情をかけたのだろうし。会談していたクーデリアが鉄華団マークのイヤリングして鉄華団の事を口にしたのは最大限の抵抗をして見せたと言える。ガエリオは何年か経っても車椅子という事は、疑似でも阿頼耶識に下半身持って行かれたのかね。首に包帯巻いてたから脊髄に障害が残ったのかもしれない。前回マッキーと対峙してた時は無重力状態だったけど、その時はもうアレだったのかぁ・・・
生き残った鉄華団メンバーはクーデリアの支援という形でカタギ生活に。タカキなんて順調に政治家になりそうだし。しかしライド他数名はヤクザのままノブリスのタマを取り落とし前付ける。ここでオルガがライドを庇って死んだ意味が出た。ライドは今後もヤクザのまま鉄華団の復讐に生きるんかなぁ・・・これも清濁併呑。結果論としてマクギリスと鉄華団が討ち果たされたからこそ、世界は変わるという形になり、変わった世界を三日月とアトラの子供・暁が生きていくのであった(完)



前回終わったあたりでは救いが皆無。鉄華団全滅したけどアトラに子供ができてヨカッタネー。で終わるのではないかと本気で頭抱えてたんですが。三日月と昭弘と犠牲は出たものの世界は変わり、イオクのアホとノブリスに制裁は下し、生き残ったメンバーは皆幸せそうという、とりあえず落とし所はあった。よくぞまぁここまで持ち直したもんだと思います。この内容なら本日のイベントもお通夜になる事はなかったでしょう。
納得いかなかった事ならそりゃありますがね、主人公を徹底的に苦しめたラスタルジュリエッタが何の制裁も無しかい。という部分は、自分とて「ラスタル陣営全員死ね!」と思ってましたが、終わった後では、まぁこういう話なのかなと。思えるようにはなりました。一番納得いかなかったのはハッシュを殺した事です。あんな任侠物の舎弟キャラのお約束みたいな死に方はさせず、アトラ親子の後見人にして欲しかった・・・そっちの方が感動できたのに・・・




▼総括
作品の評価としては3クール目の38話までと、それ以降がどうなのか。という部分に焦点が当たる事になるんだろうけど、自分としても3クールまでは文句なしの良作だと言い切ります。それ以降は、自分だって平然と感想書いてはいましたが、シノが死んだ45話以降はキツかったですよ、ええ。脚本においての基本である「緊張と緩和の繰り返し」がほぼ無い、緊張のみ。落ち着く暇もなく窮地が延々続く展開が最後まで続くのは異様でした。映画では2時間のうち、20〜30分なら耐えられますが、6話に渡って主人公側が徹底的に痛めつけられる展開が続けば、体性の無い人には本当に無理だったのも頷けます。主人公側が負けて、結果的に敵側が正義を成す、という展開に感情的な拒否反応が出るのはしょうがない。1年間もの間見てきた愛着のあるキャラが理不尽極まりなく死んでいくのを冷静に観ろというのも無理な話でしょう。・・・まぁ個人的には正直、拒絶反応デカ過ぎじゃないかとも思いましたが。
これはたぶん決められた結末へ向かう、歴史ドラマ的な構成にした方が良かったと思うんですよねえ。ストーリーのかなり最初の方で「鉄華団は壊滅しますよ」と匂わせれば、どんな出来事が起こっても、だいたい「決められた事だからしょうがない」と思えたんだろうけども。
そこまでひっくるめた上で、作品としてアリかナシかと言われれば、自分はアリです。45話以降の展開を含めても自分の中の評価はさほど変わりませんでした。今のこの何でもかんでもコンプライアンスが重視されるこの時代で、「ガンダム」という絶対に失敗できないブランドで、視聴者に一切媚びず、ここまで攻めの姿勢を貫き通したのはとても意義のある事だったと思います。全体的に見ても、キャラクターに魅力はあり、作画クオリティも高く、50話通してもダレる事もなく、テンプレートがほぼない先の読めない展開、語れる部分はいくらでもある、稚拙な内容だったとは到底思えません。議論としてけっきょくの所「こういう話は自分は好きだ、嫌いだ」にしかならないと思います。自分の見立てでは、感情的な否定意見は時間が立てば落ち着いて、そこは抜きにして語られる作品になると思いますがね。


今の気分としては、とりあえず本当に神経が削られるアニメだった・・・特にオルガが死んだ時は本気で感想どう書いていいのか解らなくなったし、前回なんて「これ最終回どう書けばいいんだよ・・・」とマジで逃げそうになりました。スパロボでは〜、なんて考える余裕もなかったですよ。そういう気分は今ではスカっと晴れて、何とか明日からもやっていけそうです。2015年秋からの1年半に渡る付き合い、さらば鉄華団