7月8日


ダーリン・イン・ザ・フランキス 最終話
宇宙の彼方での最終決戦と、地球での復興が同時進行で描かれる。片や超巨大メカとそのパーツになって生物の枠組みから外れていくヒロとゼロツー、片やココロに子供が産まれて人間らしさを取り戻していくコドモ達が対比として描かれているのかと。2年かけてVIRM本星に到着して最後の戦いで決め手になったのは、地球にあるゼロツー石像を通して送られる仲間達の声援という流れは、最後に起こす奇跡の理由付けとしては十分でとても良い。アパスの中からストレリチア(腕組み!)が出て来るマトリョーシカアタックはやると思ってたよ。本星を破壊し、VIRMと同化した他惑星の精神体も開放されるが、VIRM本体を消滅させる事はできず、警告して去る。これは概念のような存在で悪ではないという事か。戦いが終わり叫竜は地球に帰還し自然と同化、出し切ったヒロとゼロツーは消滅し帰って来ることは無かった。
8年後。名実ともに大人になったコドモ達の姿があるが、イクノだけが衰弱している。詳細は描かれなかったけどフトシの台詞からして、作られた存在であるコドモ達は本来寿命が短いのをイクノが老化を抑制する技術を確立した、という事みたい。白髪交じりのミクがどうなるのか気になったが、物語はここで終わり。作られた存在のコドモ達は大人となり、人間として生きて人生を全うするのみ。そして遥か未来、魂となって帰還し転生したヒロとゼロツーの姿があった(完)


奇麗にまとまった最終回でした。ハッピーエンドと言えるけど、人を逸脱していったヒロとゼロツーの行き着く果て、1人だけ先が無いイクノなど、平和への代償もしっかり描いた哀愁も感じる結末。途中からまったく無くなった序盤のエロ要素とか、終盤でいきなり大規模宇宙戦争になったりとか、紆余曲折あったけど、テーマであるコドモ達の自立を描き切り、トータルで見ても良かった部類のSFアニメだったかと思います。



以上、客観的な評価。以下、個人の感想。
ストーリー全体の構成としてはまとまっていたとは思うのですが、窮地を脱する方法が、ほぼほぼヒロとゼロツーのラブラブパワーによる力押しのみ。理屈や説明はほとんど無い。1度や2度ならいいけれど、何度もやられるとさすがにファンタジーセカイ系が過ぎると思えて、その辺はあんまり乗れませんでした。そして自分としては終始ロボットアニメとして観ていたので、その点はやはり物足りないというのが正直な所です。所々にガイナックス作品のオーマジュなど「解ってる感」はあるのだけれど。ロボット=兵器ではなくキャラクターの延長で、最後なんてゼロツーのコスプレだったし「ああ、スタッフのロボット観てこうなんだな」と・・・。今の若い人って、政治と軍事には関心が薄く、アニメで理解できない説明が長すぎるともう切られるので、ミリタリー要素などは意図して無くしてたのは解るんですけども。
とはいえ、本作は近年ロボットアニメとしては10〜20代のライト層の支持を得て人気作となったようです。ロボアニメの若者離れという、説得力あるんだかないんだか解らん理屈が色々あるけれど、少なくとも内容に関心を持たれれば支持は得られるという証左にはなったかと。これを足掛かりにしてライト層受けするロボアニメや、それに関心も持つ若者が増えればいいなと思う次第であります。