2月10日

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パトレンジャー最後の戦い。圧倒的な力を見せるドグラニオだったが、体内に居る魁利達がルパンコレクションを全て回収した事で力が失われる。ドグラニオもコレクションの能力が無ければ衰えた老人でしかなかった。そういやギャングラーの目的って、引退を決めたドグラニオの後継者争いだったし。最後はスーパーパトレン1号とそれを支える2号3号によるスーパースペリオルストライクでフィニッシュ。まさかラスボスにトドメのシーンがパトレンジャー3人のみだなんて、スプラッシュ以降ルパレンにアイテム集中して色々言われてた頃は想像もつかなかったよ。勝敗は決したが、ドグラニオはルパレン解放を頑として拒否。マフィアのボスの最後のプライドとも言えるし、ただの意固地な老害とも言える。ヒルトップ管理官から処分を言い渡され、煩悶する圭一郎。ここで過去の出来事がフラッシュバックして圭一郎の心情描写に十分に尺を取ったのが良かった。この部分が短いと実感が出て来ないので。そして圭一郎のとった行動とは・・・


1年後。ドグラニオはけっきょく生かし特別拘禁室に軟禁状態。爆散も消滅もしないラスボスって珍しい、老いさばらえた身体で朽ちていくのみという状態は、本人からしてみれば制裁効果は十分ある。ギャングラーは壊滅状態だが、残党は存在し未回収のルパンコレクションもあるため、パトレンの戦いは終わったわけではない。ある日、出動したらそこに魁利達の姿が! ジャックポットストライカーの能力を使って脱出していたのだ。行方不明だったジャックポットを回収していたのは、ルパレンの目的である3人。魁利達が捕らわれている間、ノエルとコグレさんにスカウトされ、快盗となって助ける術を探していたのだ! 


3人は魁利達とまったく同じ行動原理で活動していた。助けられた側からすれば全てを投げうってやられても、それをずっと背負っていくわけだから重すぎる。魁利からすれば手段が無かったとはいえアウトローな自分にずっと悩んでいたので、兄が自分を肯定し同じ事をしたのは救いになる。ただ救出するだけはなく、彼等の行いは間違っていなかったと証明する。これはパトレンにはできない役割だし、上手い事まとめたなぁ。自分らの目的は果たせてもルパンンコレクションのコンプリートは果たされていないので、それを所有するパトレンジャーとの対立関係は続くよ。あんたのお宝、いただくぜ!(完)



今までにないVS戦隊という事で、放送前では多くの人は「どうせすぐ共闘しちゃうんでしょ?」だったと思うのですが、終わってみれば徹底してVS戦隊だった。ルパレン、パトレンそれぞれ単独で成立し、交錯はするが慣れ合いはしない。共闘は必要に駆られた時だけで数回のみ。ラスボス戦ですら共闘しなかった。最後は両戦隊全員もしくはダブルレッドがラスボスと戦うんだろうな、と誰だって思うだろうけど、まさか片方の目的がラスト前に達成され、ラスボス戦はもう片方のみで行われるなんて構成が大胆にも程がある。単に奇を衒っているのではなく、そこに至るまでのストーリーの組み立て方も納得いくものだったし。


一見チャラいが覚悟は本物。だが真っ直ぐすぎる圭一郎の言葉がグザグサ刺さり苦悩する魁利。バカ真面目で融通が利かないが本物の男。だが魁利達の心情にも理解を示し苦悩する圭一郎。どちらも共感できた。1年間どちらにも肩入れすることなく均等に配分できた構成は見事であり、個人的にも42戦隊の中でも傑作の部類に入るかと。商業面では映像ソフトが好調らしいし、大人に評価された作品だといえます。子供向け番組なので当然の事ながら子供にアピールできたのか? という話にはなるだろうけど、わかりやすい子供が楽しめる戦隊。重厚なドラマの大人の鑑賞に耐え得る戦隊。こういう緩急はタイムレンジャーガオレンジャーとか、ゴーバスターズ→キョウリュウジャーとか戦隊では何度も通っている事だし、これは両方とも必要なものだと思います。というか商業面を差し置いてでも、ストーリーが評価される戦隊は制作するべき。と自分は考えます。


次回からの4週スペシャルにも圭一郎は登場するのでルパパトロスはまだなりませんな。VSリュウソウジャーも今から楽しみ。これ絶対ドグラニオ脱走するよね。